梅本聡のblog「職業介護福祉士」

西暦2026年。令和8年。 介護を生業として33年目となった介護福祉士 梅本 聡が、支援のこと、他にも色々と思うこと・考えることを書き綴ります。

株式会社Qship(キューシップ)では、介護福祉士 梅本聡が
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梅本聡の著書「認知症ケアの突破口」
中央法規出版:https://www.chuohoki.co.jp/site/g/g80583880/

株式会社Qship(キューシップ)代表・介護福祉士の梅本聡です。

「何食べる?」

友人たちと外食に出かけた時に、友人からそう問われると「う~ん」と脳の中に蓄積された情報から「何にしようかな」とメニューの選択を始め、「和食かな」「いやパスタにしようかなぁ」といったように絞り込み、「今日は、焼き肉でも食いに行くかぁ」と、着地をして、「ところで、どこの焼き肉屋に行く?」といったパターンが、僕らの暮らしの中には普通にあるのではないでしょうか。

研修の講師を務めていると参加者から、『梅本さんは入居者の意思を確認することが大事だと言うけれど、入居者に「何食べますか」と聞いても「何でもいい」「あんたにまかせるよ」「みなさんと同じでいいです」って言われるんです。どうしたらいいですか』って問われることがよくあります。
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質問者の方によく聞くと「グループホームが目指しているのはふつうの暮らしであり、それを再現するのが私たちの仕事だ」と言うのです。
前述の僕らのやり取りと同じように「何食べます・何にしようかなと描けること=ふつうの暮らしの再現」に「単になっていた」ということです。
つまり「認知症の状態にある」ということがすっぽり抜け落ちているわけです。

グループホームの入居者さんは「認知症の状態にある」ことが入居の前提条件ですから、そこでの支援策は「認知症に応じられること」が必須です。

さらによく聞くと、そのグループホームでは管理者たちが「認知症があったって人であることに変わりはないのだから私たちと同じように」と伝えているようで、そういう意味では「ステキなグループホーム」だと言えるのですが、「人としての価値は変わらないけれど認知症の状態にあるという前提が抜け落ちているのではないか」と話しました。

歯が壊れている人と一緒に外食することとなり、一緒に行く人の歯が壊れていることを知っていた「何食べる?」じゃなくて「何が食べられそう?」って聞きます。
歯が壊れていない人が壊れている人に合わせようとするわけで、自分と同じ食べ物をとはなりません。

それと同じで、私たち支援者側は、入居者さんが脳が壊れた状態にあることを知っているわけですから、その状態で理解できるように指し示すこと=それが支援策であり、「何食べる?」って抽象的に聞いたら「何でもいい」「わかんない」となることを予想し、まずはそう聞いたとしても、次の段階では「ご飯?麺?パン?」と選択肢を具体的に示して描きやすいよう支援する。
これは、認知症という状態にある人を支援する者には必然的に必要な支援策で、前述の「ふつう」にとどまっていては「応じている」とはいえないということです。



グループホームの正式名称は「認知症対応型共同生活介護」で介護保険「事業」ですが、グループホームという呼称に惑わされて「事業の本質」を見失っていたということかもしれません。

でもそれも、本人の意思を確認することもなく一方的に提供するのではなく「意思を尊重する」とか「選択権を大事にする」という取り組みの結果「うまくいかない」という話であり、意思の確認もしない、選択肢も示そうとしない旧態然とした介護とは次元の違う話で、介護の変革に挑んでいると言えると思います。


☆追記☆☆☆
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